書籍・雑誌

そだちの臨床 発達精神病理の新地平

 杉山登志郎先生の御著書である。

 日本評論社から、この9月に出されたばかりの

この本は、まさに本物のプロフェッショナル。本物の

研究者。本物の臨床医のお仕事が、いかに凄い

ものであるのかを教えてくださるものだと思う。

 同じような内容の書物が氾濫する中、これは、まさに

最新の知見、それも、臨床に、教育実践につながる、

支えになる最新の知見を示してくださっている。

 特に、虐待と発達障害の絡み、関連性、相違性につ

いての研究成果が凄い。

 また、僕らがこれまで細々と取り組んできた「関係づくり」

「衝動コントロール支援」について、「愛着」をキーワードに

論を展開されている。実践の背景となる、基盤となる可能

性のある理論を提示していただくことは、大いに勇気づけ

られる。

 エビデンスを示すことができれば、実践の意味づけも

より明確になるだろう。

 昔々、ある研究会の時に、杉山先生と隣の席でお食事を

ご一緒したことがある。

「地元まで行くから、研究会企画してごらん」

とまで言ってくださったのに、実現」させられなかった。

 今から考えると、なんというもったいないことをしたのか。

 品のないことばで言えば、本当にアホである。

 こんなチャンスを逃しているから、大して力がつかないで

いるのだろう。

 これに懲りて、その後は、割とチャンスを逃していないよ

うにも思う。言ったことは、かなり実現させてきたつもりだ。

と言っても、大した企画力はないのだが・・・。

 この本、これから何度も何度も読むことになるだろう。

 一度目で、付箋とマーカーだらけではあるが、まだまだ

美しいこの本を、いかに汚せるか。自分自身の問題だ。

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小林宏明著/『学齢期吃音の指導・支援』

 金沢大学の小林宏明さん。

 吃音研究者として、若手のホープというよりも

既に日本の第一人者のお一人になっていらっし

ゃる方だ。

 これまでに何度かお仕事をご一緒させていた

だいたことがある。僕の現場に来ていただき、

へったくそな、でも、思いだけはいっぱいあった

授業を見ていただいたこともある方だ。

 現場を大切にしてくださる、でも、現場を見下さ

ない研究の方だと思う。

 その小林さんの新著が出た。

『学齢期吃音の指導・支援』 小林宏明著 学苑社

http://www.gakuensha.co.jp/cn27/pg335.html

 これまでのご研究の成果をまとめられたものである。

 指導プログラムを組み立てるためのコンテンツや

実践例をまとめたこの本。こういった形での学術的かつ

臨床的な本は、これまで日本では、ほとんど類を見ない

ものだと思う。

 さすがである。

 

 吃音臨床を「心理学的」にとらえて、それを教育に

応用するという試みが多く行われてきた印象がある。

小林さんの御著書は、それらの試みを「教育的に」

整理しているといえるかもしれない。もちろん、これま

での多くの日本における「教育的」実践を整理し、体

系的に示されようとしている大きな仕事だと思う。

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教師のための時間術/長瀬拓也著

 とにかく余裕なく、かろうじて日々を過ごした

11月が終わった。

 深夜に帰宅し、夕食後に再び翌日の資料に

目を通したり資料を作ったりする生活が望まし

いはずはないのだが、どうしようもなかった。

力不足と段取りの悪さゆえである。

 そんな中、2度の東京出張を利用して読みた

かった本を数冊読んだ。その内の1冊が標題の

『教師のための時間術』長瀬拓也著 黎明書房

である。

http://www.7andy.jp/books/detail/?accd=32340756

 著者の長瀬氏は、まだ20代!

 しかしこれが2冊目の単著である。

 私など30代後半で、やっと初めての単著を書か

せていただいた。未だ、3冊の単著と1冊の編著

である。

 彼とは比べるまでもない。

 彼は、これからの日本を引っ張る教師になるだろう。

 やりたいことがやりたければ、時間を作る必要がある。

 大切なことがやりたければ、時間を作る必要がある。

 大切な「無駄」を行いたければ、不要な「無駄」を省く

必要がある。

 日本の教育の大切な大切な卵である若い先生方を

守り、やめさせず潰さず、そして、羽ばたいてもらうた

めの努力が僕には足らないな・・・・。長瀬さんの本を

読んで反省である。

 教師の方々に、一読をお勧めしたい1冊だ。

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『僕の大好きな自閉症』

 片倉信夫先生と奥様の厚子先生の共著による

新著が出版された。

『 僕の大好きな自閉症 』
https://www.space96.com/php/user/item_detail.php?store_id=space96&item_cd=s09092308

著者:片倉信夫・片倉厚子 

価格:2,415円 

発売日:2009年09月30日 

(内容)

  自閉症といわれる人達の理解者そして代弁者である著者が、約40年にわたる自閉症児
との付き合いの中から「分かっていること」をまとめた。

(目次)

はじめに
第1章 『続・若草物語』 
ルイザ・M・オルコット/ジョー(ジョセフィーン)/『続・若草物語』/落とし穴/
犠牲/必要/支配者/大暴れ/A→B→A′/後悔/必要だと分かっていること

第2章 心得
心得その1.必要条件/
心得その2.自己と自体間のコミュニケイション障害/
心得その3.社会性成立可能な自我空間/
心得その4.能力差・自己認識/
心得その5.設定と順序/
心得その6.具体的な日常生活行動が生活に対する「構え」を作る

第3章 対猿関係 言葉のない人達の鋭い読み取り能力について
県立養護の職員研修/対猿関係/現実感覚/阿闍世コンプレックス/何故見抜かれるか/
閑話休題・促進言語/上位に立つためのつばぜり合い・子ども時代/思春期の行動障害

第4章 流儀
流儀の差/特別なもの/はからい/臨在感的把握/偏食指導は虐待か?/流儀の分水嶺/
信頼関係

第5章 多動人万歳
1 多動人
速い動き/力み/認知障害/〈鋭〉か〈鈍〉か/視覚刺激の影響の大きさ/一度設定
された行動の変更や反射の組み替えの困難/分かっちゃいるけど……/自分に優しい
論理/怪我
2 間奏曲
多動勝ち/懲りる/止める/一発/多動の素/福祉職員(少数派)
3 障害者の多動
多動の姿/対応:考え方と実際

第6章 あつこ軍団21 
1 進化する軍団
液晶独り言/新技/成長/ハイファンクション/親友/先輩/電話/かたまり/携帯
依存症/依存症/テレホンダイエット/悪事と脂肪とダイエット/暴れを防いだ
ダイエット&最新アイテム/薬

2 行動障害はスタッフの育つ素敵な教材
病気と行動障害/反芻/エンディ/職員の力量アップ

語録集

おわりに

 これまでにわかったこと、ことばにできたことを、僕らに伝えてくださるために

言語化された1冊である。

 今はやりのマニュアル本ではなく、「哲学」が貫かれた本。

 じっくりじっくり噛みしめて読みたいと思う。

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シリーズ『明日の教室』

 尊敬するお二人、糸井 登先生と池田 修

先生のお二人が代表をされているシリーズ

『明日の教室』の第1巻が発刊されました。

「学級経営・基礎の基礎」というテーマの

第1巻。以後第5巻まで発刊されるとのことで

す。

http://www.gyosei.co.jp/home/books/book_detail.html?gc=3100501-01-000

 第1巻は野中信行先生、佐藤正寿先生、

土作 彰先生、阿部隆幸先生、中村健一先生

など、これまで全国大会、講座などでお会いし

たことがある超一流の執筆陣が分担執筆

されています。 

 凄いです。

 ちなみにこの書籍、執筆フォーマットが斬新。

 1つのテーマを8ページで構成していますが、

細かいフォーマットに従って、使いやすく記述

されているのです。

 3年前、京都橘大学を会場に、若い先生方や

学生さんたちを対象に月に1回を研究会を始め

られたお二人のお仕事がこのシリーズにつなが

っています。

 月に1回の研究会が、日本の教育を変えよう

としている・・・そのような印象を持ちました。

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若い先生方へ

『教師になるということ』池田修著 ひまわ

り社を読み直しました。9月に発売になり、

すぐに読んだのですが、もう一度読んだと

いうわけです。

 教育書には珍しい新書版。

 860円。

 安すぎます。

 キャリア教育のテキストになると思います。

 「どうして先生になったの?」

 「どうして先生になりたいの?」

 これらの問いへの答えを考える時、この本

が役立つと思います。

 漢字が全く学習できていなかったNくんの

話が、最終章に載っています。Nくんから

学び、組み立てた実践が報告されています。

池田先生の現場時代の実践は、特別支援

教育の視点から論じ、整理できることを、ま

た改めて感じます。

 若い先生方へ、教師を目指す学生たちへ

おすすめの1冊です。若い方へのプレゼント

にも良いかもしれませんよ。

http://www.bk1.jp/product/02914800 

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