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「おはようございます」が言えなくて

 学生に問うた。

 ある学校の朝の正門での出来事。

「おはようございます」

と、大きな声で挨拶をしようという取組の中、ある子どもが

教師に叱られた。

 挨拶をしない。

 大きな声で挨拶をしないという理由である。

 その子はうつむいて、背中を丸めてとぼとぼと教室に

歩いていった・・・。

 これだけの状況で、この子どもはどうして挨拶のことで

叱られたのか・・について想像を巡らせよ・・という、結構

無茶な振りをした。

 夜遅くまで起きていたのかもしれない。

 家庭で何かあったのかもしれない。

 何か、意地を張っているのかもしれない。 等々。

 50人があれこれ考えた。

 一人で考えず、話してみようといっているので、相談し

て近くの人と一緒に考えた。

 でもそこにはでなかった1つの見方。

 それは、吃音である。

 講義で扱う機会を狙っていた吃音臨床のこと。

 ことばの最初が出ない、難発症状を知らなかった学生が

ほとんどであった。それはそうだろう。

 吃音は、緊張したから言えなかったとは限らない。

 吃音は、勇気がないから言えないのとは違うしんど

さがある。

 誰もが知っている「おはよう」ということば。

 分かっている、知っている、そして言う気持ちもあるけれど

「言えない」ことがある。

 吃音の本質を考える講義をしたつもりである。

 言い換えられる。

 隠そうと思えば隠すことができる。

 言い換えたことばは、言い換える前のことばと違う。

 それは、その子の本当のことばと言えるのか・・。

 でも、絶対に吃りたくない・・と言う気持ちと言い換えが

天秤にかかっているとしたら・・。

 

 ことばってなんだろう。

 ことばって何かを考え始めるきっかけとなるこうぎをし

たつもりである。

 その分、吃音の基本的な知識の扱い方が雑だった。

以下のリーフレットを資料とし、恐らく持ったであろう疑

問に答えて講義終了。

http://www2m.biglobe.ne.jp/~genyukai/book/soudan-gakudou.PDF

 毎回必ず授業の感想を提出することとしている。

 毎回、僕も全員に1文はコメントして返すこととしてい

る。

 感想を読んだ。

 受講している学生の30%が、これまで、吃音のある

人、子どもとつきあった経験があった。

 ほぼ全員が、感想用紙にぎっしり書き込んでいた。

 自分と向き合い、自分のことばで綴ろうという努力が

見えた。

 この積み重ねが、この先かならず彼女たちの力に

なるはずである。

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コメント

今日,市の人権研修会がありました。
この研修会を担当して5年目になりますが
今年は,吃音をテーマにしようと考えていたら
その朝,「おはようございます」のお話に
出会いました。タイムリーな話題にびっくりの
朝でした。
各校から参加の教員たちからも
吃音という考えは出てきませんでした。

投稿: 落花生 | 2011年6月 7日 (火) 21時16分

落花生さん、こんばんは。
嬉しいです。
尊敬する落花生さんと、同じ時に同じ思いであったことが・・。
吃音のある友達がいたという学生がこんなに多いのか! という新鮮な驚きがありました。なんせ、うちは女子大ですからね。異性の友達だったかもしれないけれど・・。

投稿: 夢追い人 | 2011年6月 7日 (火) 23時42分

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