« 県内を回る | トップページ | 地道な地域のつながり作り »

気にしないということばの危うさ

 ある教育相談会。

 吃音のある子どもさんの相談をされていた

一人のお母さん。ベテランの相談員の方が

共感的に話を聞かれていた。

「ことばの出始めが出ないことがあるんです。

子どもの顔を見て聞いていないと、黙っている

のかと思えてしまいます。でも、顔を見たら

口に凄い力を入れて、口元をゆがめてしゃべろ

うとしていて・・。でもしゃべれないんです・・。」

 説明をされるお母さんの頬を、大粒の涙が

流れ落ちる。

 相談員の方は

「それはしんどいね。でも、できるだけ気にせ

ずに聞いてあげてね。お母さんが気にすると

それが子どもさんに伝わっていくからね。」

と言われた。

 お母さんは

「幼稚園の子なんですけど『僕、うまくしゃべ

れない』って言うのです・・。」

とおっしゃりながら、また涙を見せられた。それ

に対して

「子どもが気にせずにしゃべって、前向きに過ご

せるようにしていきましょう。」

といったアドバイスをされていた。

 うーん・・・。

 このような状況で「気にしない」といったことが

アドバイスになるのだろうか?

 僕はつい口を開いてしまった。

「ことばの出始めにブロックが入る。それを見て

いる親の気持ち。やっぱり気になるんですよね。

そう、親なら気になるもの。だから、気にしないよ

うにしようと思うことはないんじゃないかな。

 ただ、気になることをそのまま子どもさんに言わ

ない方がよいでしょうね。大人だから、自分の気に

なることをことばにして言わないことは大切。

 気になることと、気になることをそのまま言うこ

とは別なんですよね。」

 「子どもも、話したいことが話せないんだから、

自分のことが気になって当たり前だと思う。

 それを無理に「気にしないで」って言わなくても

良いと思います。

 それよりも、子どもが気にして言うことは、とに

かく聞いてあげれば良いと思うのです。『どんな

ふうになったの?』って、子どもと率直に話したら

良いと思う。

 子どもが、自分におきたこと、不思議なこと、不

安なことを言える様にすることが大切だと思うの

です。

 子どもを一人ぼっちにしないように。大好きな

ママ、パパは、いつも一緒にいて応援してくれる

って思えるように。

 素直に子どもさんと話せばよいと思うのです。」

 泣きやんでいたママが、また涙を見せ始めた。

 最初の涙と違う種類の涙だと思ったのは、僕だ

けなのだろうか・・・。

 親子が一緒に進んでいけますように・・・。

よかったら応援クリックお願いします。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

|

« 県内を回る | トップページ | 地道な地域のつながり作り »

特別支援教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/403660/31001096

この記事へのトラックバック一覧です: 気にしないということばの危うさ:

« 県内を回る | トップページ | 地道な地域のつながり作り »