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2008年4月

特別支援教育とリズム

 先日、学校の教科指導のプロの方々とご一緒

しする機会がありました。

 ある授業のDVDを一緒に観て、その後、それ

ぞれの立場でどのように「助言」するかを議論す

るという試みでした。 これ、無茶苦茶勉強になり

ました。

 1つだけとりあげると、授業のリズムが話題にな

りました。

 テンポ良く、一問一答式のようなスタイルで導入

していったことに対して

「考えさせる場面が必要。」

という意見が出たのです。

 確かに・・・。でも、考えさせないで、テンポとリズ

ムを意識して導入する必要がある場合も、結構

あるんじゃないのかなと感じます。ただし、拝見した

DVDの場面では、その必要性があったかといわ

れれば、疑問かなとは感じました。だから、言われた

ご意見には納得できます。でも、それがセオリー、

当然のことだというトーンには違和感を覚えます。

 特別支援教育とリズムの関係は、きっちりと論じら

れるトピックだと思うのです。

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耐性をつけていく時の鉄則

 自傷。

 他傷。

 暴れん坊などのことばを使うと、そのイメージが

緩和するが、実際にそのような状況の子どもたち

とつきあう際の、関わる側の緊張度は並ではない

でしょう。しかし、実際には、その緊張度が子ども

に伝わり、それが刺激になってしまうこともあると思

いますから、そのつきあいの難しさが、さらに増長

されます。

 身体に、こころにかかる負荷に対する耐性がほと

んどない場合に、負荷がかかった際には、それが

冒頭の行為(反応)となって表れてしまうことは十分

考えられると思います。

 最近、ある仲間から相談を受けたケースは、今後

の危うさが十分想像できる状況でした。にもかかわ

らず、通っている学校にその危機感が感じられませ

ん。今は、大けがもせずにどうなっているから・・とい

うことかもしれません。でも、それは、今後の展望

をもってはいない、その場しのぎだといわざるを得

ないと思います。

 環境を整えましょう。

 わかりやすい環境を作り、本人に負荷をかけない

ようにしましょう。

 「専門家」の方の助言があるようです。

 基本中の基本です。

 というか、これ、自閉症に限らず、私たち誰にでも

いえることかもしれません。でも、その日本語には

ちょっと違和感があります。

 本人に負荷をかけないようにしましょう。

 十分な配慮をして、人間的な成長をとげられる負

荷をかけましょう。

 教育としての日本語は、どちらが適切なのでしょう。

 対立した概念を示し、そこから、教育としての適切

さと豊かさを導き出すのが「専門家」の役だと思い

ますが、どう思われますでしょうか?

 この問題を考えるヒントとなる気がする文章に出

会いました。

 http://www2.bbweb-arena.com/tuitachi/myweb116_011.htm

 厚子先生の「怖さ ~「北の国」へ 」 です。

 先述した「十分な配慮」と、その繊細さについて考え

ていきたいと改めて感じた週末でした。

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お友達ができました

 教え子からメールをもらいました。甘えん坊の

幼稚園児がすっかりお姉さんになって、メールを

くれるだけでも、心に迫ってくるものがあります。

「もう、お友達ができました・・・。」

と綴られる文章の本当の意味は、過去の彼女の

しんどさに思いを巡らせないと読み取れない気が

しました。

 小さい頃、お友達が欲しいのに、どうやってお

友達と接したらよいかわからなくて、ドキドキして

いた子どもです。

 お友達へのことばかけを「一緒に」考えて、「一

緒に」やってみたことを思い出します。

 グループの学習を仕組み、そこで気の合う友達

づくりをプロデュースしながら「一緒に」過ごしたこ

とを思い出します。

 その関係を通して、彼女が、その友達から励まさ

れたり、教えられたりしたことも多かったのでしょう。

もちろん、逆に友達を励ましたり、教えたりしたこと

もあったのです。

 このあたりの経過をある論文に書いてみました。

話題にもなりませんでしたが、何人かの方からは

僕らしい切り込み方だと言われたのを思い出しま

す。

 当の彼女は

「お友達の作り方を教えてもらったから・・。」

のような言い方をしますが、そんなはずはないと

思います。友達は、スキルを学んでつくれるよう

なものではないと思うからです。実地の体験の中で

「一緒」に考え、「一緒」に進んでくれる人がいるこ

とが大切だと思うのです。その関係の中から、彼

女の成長を促したことがたくさんあったのでしょう。

 ソーシャルスキルトレーニングという話とは、似て

非なる話のように考えていますが、どうなのでしょう

・・・。

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子どもの見え方

 深夜に後輩からの電話。日頃はメールで報告やら

相談があるのですが、今日は電話です。余程のこと

だと思い、食事を後回しに電話を取りました。

 担当している子どもの相談でした。

 まだ若い人ですが、ここのところ、子どもの見え方

が実に鋭くなってきたと思います。案の定、この電話

でも、何気なく次のようなことを言います。

「最近、文字や絵を描くのをいやがるんです。うまく

書けなくて、かなりいらいらしているみたい。それで

余計に雑くなってしまいます。それを、先生に注意さ

れたりすると,余計にいらつきます・・。観察していると

、身体にすごい力が入っていて、うまく動かせないか

ら書けないんだと思うんです・・。」

 書ける書けないという現象を、身体の力と、身体の

動かしやすさという視点で見つめているのがわかる

話だと思います。子ども本人のしんどさに気持ちが

向いているのもわかります。

 「この前、朝約束した『バカって言わない』ことを、

自分で意識して、我慢したなーっておもうことが

あったんです。それで『よく止めたね。えらい!』

って言ったら、彼も、ニコッとしたんです。」

という話もしてくれました。

 約束を守る、守らないだけではなくて、守ろうとし

ているという気持ちの動きにまなざしが向いてい

る話だと思いました。気持ちの動きに目が向くこと

は、とても大切だと思います。行動面だけではなく

気持ちに目を向け、子どもの気持ちと交信したい

といつも思っています。

「最近、ゆっくりと動かすことができなくなってきて

いると思います。給食も、すごい早さで食べます。

ゆっくり食べられないと思うんです。」

教えてくれました。

 「ゆっくり食べなさい」といわれても、ゆっくりと、身

体を動かせなくなっている場合、どうしようもないは

ずです。子どもの立場に立ち、行動の要因を考え

ているところが頼もしいなと感じます。そして、身

体へのアプローチが必要だと判断し、緊張を緩める

試みを始めようとしているとのことでした。

 苦戦しているケース(子ども)は、きっと、この先生

を信頼していくだろうな・・・。

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勉強会

 障害特性だけで子どもたちを捉えない。そのよう

な視点にたった教育・臨床を目指し実践している

仲間がたくさんいます。

 週末に、県外でそのような仲間との勉強会をしま

した。研究者、病院のスピーチセラピスト、私という

立場の違うメンバーが、似た志の元集まっての

勉強会。もう、何年も続けています。

 当たり前の特別支援教育を目指しての、地道な

勉強会。

 その成果を毎年学会で発表してきています。

 出版、ブログ、論文などなど、様々な発信をして

いる仲間との勉強会は、日々の疲れを忘れる一時

でした。

 先日は、志を同じくする地元の仲間と飲みました。

 仲間作りの大切さ。

 志を同じくする方々と共に進んでいるという実感は

疲れて、屈しそうな自分のエネルギーになるのです。

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気の合う友達

 昔の教え子のお母さんからメールをいただきま

した。新しい学年を迎えての近況報告メールでし

た。その中に、嬉しいフレーズがありました。

 最近、学校から、一緒に帰る友達ができたとい

うのです。部活動に入り、そこで、気の合う友達が

できたというのです。

 ささやかな暮らしの1コマかもしれません。

 でも、一緒に帰る人がいることは、とても大きな

ことのような気がします。

 高機能自閉症といわれる彼です。

 人づきあいは、お世辞にも上手ではありませ

ん。一人で過ごすことを好むようなところも確か

にあるとは思います。

 でも・・・。

 彼は友人を欲していたのです。

 友達ができて、嬉しい様子とのことでした。

 気の合う友達ができたことで、その友達に

「感化」され、何か、新しいことに気づけるの

かもしれません。もちろん、新しいことに気づ

くばかりではないと思います。

 日々を、一緒に過ごせる友達がいること。

 何気ない、日々の暮らしを楽しみながら過

ごせること。

 当たり前の日々を、普通に過ごせること。

 気の合う友達の存在の大きさを改めて

感じたのでした。

 

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日々の努力が

 高機能自閉症と思われる子どものお母さんから、

メールをいただきました。近況報告のメールでした。

 最近、スポーツ少年団に入ったこと。

 友達ができたこと。

 遊園地で、すごく待ったのに、大丈夫だったこと。

 妹を誘い、ことばをかけて、次のアトラクションに

行ったこと・・・などなど。

 成長した坊やの姿が目に浮かぶ内容に、これま

でのお母さんのご苦労と努力が思い出されたので

した。いや、苦労し、努力したのは親子ですね。

 親子で「一緒」に進んできたから・・。

 自閉症の子どもが、人を信じ、人を気遣い、自分

を振り返り、自分を律して生きていこうとする場面

にたくさん出会ってきました。彼ら、彼女らは、人と

の関係の中で育ってくるのだと思います。その時

の苦労を「わかろうとする人」と「一緒に」歩む人が

いれば、独りぼっちにはならない。そんなことを感じ

たメールだったのでした。

 

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わかろうとする人

 新しい園・学校・学年。春は、不安と期待が

入り乱れる季節。

 今日、新学期を迎えた子どもたちも多かった

様でした。たくさんの方から、新学期メールを

いただきました。

 不安の中、なんとか前に進もうとされている

親子がおられます。今度の先生は、話を聞いて

くださるだろうか・・。今度の先生は、子どもの話

を聞いてくれるだろうか? 今度の先生は、子ど

もをわかろうとしてくれるだろうか・・・などなど。

 綴られるそのことばに、親子の気持ちが痛いほ

ど表れていると思います。

 支援ツール。

 個別の指導計画。

 個別の教育支援計画。

 一昔前とは隔世の感がある引き継ぎ状況の良さ

を感じる現場も多くなってきたと思います。引き継ぐ

のは当たり前という雰囲気が、確実に増してきてい

ると思うのです。特別支援教育が推進されている

ことを実感する場面です。

 そのような状況の中、敢えて、一番大切だと思う

ことをことばにしておこうと思います。私は、それは

「わかろうとする人の存在」だと考えます。それが

全ての前提になるのではないかと思うのです。

 そう、特別支援教育は、人と人が出会い、当たり

前に大切にされることのはずだから・・。「わかろう

とする人」が一人でもいれば、なんとか生きていけ

る、前に進んでいけるもの。

 「わかろうとする人」がもっと増えれば、もっと暮ら

しやすくなる。

 教育に携わる者として、「わかろうとする気持ち」

を胸に刻み込んで、親子に、家族に添い、向き合

いたいと改めて感じた1日でした。

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歓送迎会

 職場の歓送迎会がありました。今年度は

同僚会の幹事になったので、転入者として

出席した昨年とは別の緊張感の中での出

席でした。

 この1年を振り返って、実に多くの方に助

けられ、支えられた1年だったと改めて痛感

します。よく失敗をしたからなー。

 つい先日も、とてもここに書けないような大

失敗がありました。顔面蒼白って感じで、倒

れそうでした。でも、上司は、てきぱきと対応

してくださり、なんとかピンチを脱出したので

した。その上司も異動。異動先から、さりげな

くその後の顛末を聞いてきてくださっていたこ

とを他の同僚から聞きました。

 ありがとうございます・・。

 そういえば、職場が変わってから、過去のこ

とについて意外なことを伺う機会もあり、あの

時、あの方が、そんなことをしてくださってい

たのか・・と初めて知らされ、胸が熱くなった

ことが何回かありました。

 多くの方に助けていただき、知らないところ

で引き上げていただき、今の自分があるんだ

な・・・ということに気づかされます。

 特別支援教育って、一人でうまくやれるた

めの方法探しみたいに言われる場合がある

ような気がします。でも、一人でなんでもでき

なくて当たり前のような気がします。もちろん

努力をしながらも、互いに助け合える関係性

があり、もちろん、一人ひとりに居場所と存在

感がある。そのような教育を目指して行きた

いと思いながら会に参加したのでした。

 帰り間際にある方から一言いただきました。

「頑張って・・。いや、うーん、負けるなよ。」

 ことばを選んでくださったこと。

 迷い迷いことばをくださったこと。

 微妙な間。

 その時の笑顔。

 言語臨床家の端くれとして、またまた胸が

熱くなるそんな瞬間だったのでした。

 「負けるなよ・・・」

 何に負けちゃダメなんだろう・・。

 そんな野暮なことを伺うはずもなく、それを

考え続けて生きろというメッセージを胸に、

久しぶりに、もっと勉強しようという気力が

涌いてきた気がします。

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