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特別支援教育の本ではない特別支援教育の本

 書店には、特別支援教育の本が

目白押し。春の教育書フェアが始まり

覗いてみましたが、その中に、特別支

援教育のコーナーが作られていました。

一応探してみましたが、僕の拙著は

コーナーに入っていませんでした。

春には関係ない本という評価でしょう

ね(大笑)。

 以前に書いた気がしますが、僕は

著者が「特別支援教育」の本だと思っ

て書いておられない本の中に、「特別

支援教育」として非常に意味がある

高く評価出ると感じる本が多い気がし

ます

 例えば、池田修さんが書かれた名

著『こんな時どう言い返す ユーモア

あふれる担任の言葉』学事出版。

 この本は、氏の生徒指導としての

実践の中から、生徒たちとのやりとり

をまとめたものですが、僕は、この本

は、特別支援教育の基本文献にすべ

きだと思っています。この本には

 ○論理的思考

 ○共感

 ○ことばのやりとりから、ソーシャル

 スキルの指導へ

といった内容がてんこ盛りだからです。

これらは、高機能自閉症、アスペルガ

ーと言われている子どもたちとのつき

あいに欠かせない視点だと僕は考え

ています。その意味で、基本文献だと

考えるわけです。

 ここに、もう1冊加えたいと思います。

 中村健一著『子どもが納得する個別

対応・フォローの技術』学事出版です。

 この本は、授業成立の基礎技術シリ

ーズの1冊です。決して特別支援教育

のシリーズ本ではありません。ところが

どっこい、僕は、この本は、特別支援教

育の基本文献にしたいと思いました。

 まず、中村さんの子どもたちへのまな

ざしが温かいのです。そのまなざしは、

学級で様々に苦戦している子どもたち

に多く向けられています。これぞ、まさし

く特別支援教育。彼は、文章中に全く

障害名を使用していません。 「多動傾向」

という表現がある程度です。そう、障害

名ではなくて、子どもたちの姿をとらえ、

その内面に目を向けながら、「個別対応」

を考えます。そして「フォローの技術」と

いう視点で整理を試みています。

 38ページに「子どもたちは教師の意図

を読もうとしなくなっている」という指摘が

なされています。また「意図が読めても、

どう反応すればよいのかがわからないこ

とが多いように感じる」と指摘されています。

 なるほどと思いました。

 そして、「拍手」によって前向きの反応を

引き出し、学級の雰囲気を変えていこうと

提案されています。もちろん、実践の描写

を通してです!! そう、彼は小学校の

実践家だから。

 それ以外にも、業界用語に置き換えれば

 ○視覚支援(見てわかりやすい形にしよう)

 ○スモールステップ(低いハードル、細か

 く誉める)

とでも言えそうな実践が、的確な考察と共に

記述されています。

 なんといっても、小学校現場の用語で書

かれているので、学校で起きている「物語」

が読み解きやすいなーと思います。

 内容を細かく紹介してみた衝動に駆られ

ますが、それは読んでいただいてからの

お楽しみということで・・・。

 

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コメント

小書の紹介ありがとうございます。この本がこのように評価されるのは、望外の喜びです。小書も喜んでいると思いますf(^^;。

自分で言うのもなんですが、この台詞が生まれるまでの過程や基本的な考え方を考えてくれると、若い先生方の勉強になるのではないかと思います。

ありがとうございました。

投稿: 池田修 | 2008年3月25日 (火) 17時14分

池田さん、ご無沙汰しています。コメントありがとうございます。そうですね、あの本のやりとりの基盤になっている考え方を探るワークショップ的な勉強をしていくと良いわけですね。どこかのプログラムで挑戦してみたいです。

投稿: 夢追い人 | 2008年3月30日 (日) 22時55分

 めちゃくちゃ嬉しいコメントをありがとうございます!いや~、こんなに嬉しいのは久しぶりですね!!

 夢追い人さんが書いていらっしゃる通り、私は障害名に詳しくありません。そんな私の実践を「特別支援教育」の視点から再評価してくださってますね。嬉しいです。本当にありがとうございます。

 夢追い人さんの解説を読んで、『特別支援教育 学級担任のための教育技術』(学事出版)で提案されている「特別支援教育の授業技術・10の原則」を通して、私自身の実践を見直すのも勉強になりそうだと思いました。事実、重なっているところも多いですからね。ただ、私が意識して、「技術」として使っているかと言われると、怪しいです。「10の原則」を意識することで、私の力量もあがるかも、と思いました。

 ちょっと興奮して書いてます。的はずれなコメントになってたら、ごめんなさい。
 でも、とっても嬉しかったのです。
 本当にありがとうございました。

投稿: 中村健一 | 2008年4月 7日 (月) 18時29分

中村さん、コメントありがとうございます!
無意識に実践していることを「意識」することで、
人に説明できるようになるのではと考えます。周りに広まっていくためには「説明」することばが必要だと思うのです。そのために「意識」することは大切だと感じます。

投稿: 夢追い人 | 2008年4月 9日 (水) 01時00分

どちらの本もやっと読み終えたところです。特別支援学級でも使えるものも多く,応用しています。
池田さんの本は,口の悪い子どもへの対応にいつも困る私には「なあるほど。今度は言われっぱなしにしないぞ~」と思いながら…
中村さんの本は,通常学級を持っていたとき,そう言えばよく似たことをしていたなあと思い出しながら…二冊の本から,日々のヒントとエネルギーをもらいました。ありがとうございました♪"m(_ _)m

投稿: ひまわり | 2008年4月16日 (水) 21時47分

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