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2008年3月

手塚治虫記念館

宝塚にある手塚治虫記念館に足を

伸ばしました。雨の中でも、多くの

来客で盛況でした。駐車場がない

という立地条件、近くに来ても、

いっさい表示を出さないという姿勢

には考えさせられましたが・・・。

 小学生の時に描いた作品に、

既に将来の作品に出てくるキャラ

クターが登場していたのには驚きま

した。戦時中という時代背景にも

かかわらず、密かに彼を応援し

ていた教師らがいたことにも驚き

です。傑出した才能が開花するた

めの教育者のあり方を考えさせら

れた時間になりました。

 また、単に一漫画家にとどまらず

アニメーションの確立、そのための

制作のシステム化、キャラクタービ

ジネスの確立、世界に視線を向け

たメッセージ発信という視野の広

さ。うーん、驚嘆です。

 新しい年度の始まる前に、大変

良い刺激をいただきました。志は

大きく、日々は地に足をつけて・・

を目指していこうと思いつつ、帰

路につきました。

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特別支援教育の本ではない特別支援教育の本

 書店には、特別支援教育の本が

目白押し。春の教育書フェアが始まり

覗いてみましたが、その中に、特別支

援教育のコーナーが作られていました。

一応探してみましたが、僕の拙著は

コーナーに入っていませんでした。

春には関係ない本という評価でしょう

ね(大笑)。

 以前に書いた気がしますが、僕は

著者が「特別支援教育」の本だと思っ

て書いておられない本の中に、「特別

支援教育」として非常に意味がある

高く評価出ると感じる本が多い気がし

ます

 例えば、池田修さんが書かれた名

著『こんな時どう言い返す ユーモア

あふれる担任の言葉』学事出版。

 この本は、氏の生徒指導としての

実践の中から、生徒たちとのやりとり

をまとめたものですが、僕は、この本

は、特別支援教育の基本文献にすべ

きだと思っています。この本には

 ○論理的思考

 ○共感

 ○ことばのやりとりから、ソーシャル

 スキルの指導へ

といった内容がてんこ盛りだからです。

これらは、高機能自閉症、アスペルガ

ーと言われている子どもたちとのつき

あいに欠かせない視点だと僕は考え

ています。その意味で、基本文献だと

考えるわけです。

 ここに、もう1冊加えたいと思います。

 中村健一著『子どもが納得する個別

対応・フォローの技術』学事出版です。

 この本は、授業成立の基礎技術シリ

ーズの1冊です。決して特別支援教育

のシリーズ本ではありません。ところが

どっこい、僕は、この本は、特別支援教

育の基本文献にしたいと思いました。

 まず、中村さんの子どもたちへのまな

ざしが温かいのです。そのまなざしは、

学級で様々に苦戦している子どもたち

に多く向けられています。これぞ、まさし

く特別支援教育。彼は、文章中に全く

障害名を使用していません。 「多動傾向」

という表現がある程度です。そう、障害

名ではなくて、子どもたちの姿をとらえ、

その内面に目を向けながら、「個別対応」

を考えます。そして「フォローの技術」と

いう視点で整理を試みています。

 38ページに「子どもたちは教師の意図

を読もうとしなくなっている」という指摘が

なされています。また「意図が読めても、

どう反応すればよいのかがわからないこ

とが多いように感じる」と指摘されています。

 なるほどと思いました。

 そして、「拍手」によって前向きの反応を

引き出し、学級の雰囲気を変えていこうと

提案されています。もちろん、実践の描写

を通してです!! そう、彼は小学校の

実践家だから。

 それ以外にも、業界用語に置き換えれば

 ○視覚支援(見てわかりやすい形にしよう)

 ○スモールステップ(低いハードル、細か

 く誉める)

とでも言えそうな実践が、的確な考察と共に

記述されています。

 なんといっても、小学校現場の用語で書

かれているので、学校で起きている「物語」

が読み解きやすいなーと思います。

 内容を細かく紹介してみた衝動に駆られ

ますが、それは読んでいただいてからの

お楽しみということで・・・。

 

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実践を描写する

 一緒に仕事を進めている気鋭の若手

実践家に送った書簡です。

 実践を描写するための「文体」について

どのように考えていこうか・・という提案をし

た文章です。以下、一部引用します。

(引用開始)

 今すぐにどうのこうのという話ではないの                           ですが、ちょっと感じるところがあるので、
メールしますね。
 それは、「文体」についてです。
 実践を描写する時の「文体」です。
 これは、どれが正しいとか、正しくない
とかいうものではないから、いかに、目的
に応じてわかりやすく伝えていけるか、そ
のための「文体」はどのようにすればよい
かな・ という話です。
 僕は、20代から30代前半にかけて、
意識的に「文体」を練習しました。
 ちょうどそのころ、教育技術の法則化運
動が全盛だったと思います。だから、僕は
文体に関しては「法則化」の影響を受けま
した。また、授業づくりネットワークの、
ネットワーク運動にも絡んでいて、そこか
ら学んでいました。
 具体的には
・1文の短さ。
・段落分けの多さ。
・強調点は枠囲み。                                          ・子どもの事実を描写する
といったことを基本に、代表的な実践家の
文章をまねて書いていました。
 また『授業づくりネットワーク』の」「明日の                           授業」のコーナーの実践記録の書き方を
意識し、このコーナーの書き方を使って、
研究会のレポートなどを書いていました。
 また、片倉信夫先生の文章から学び、意識
してまねて書きつづってみる、それから、
さだまさしさんのライナーノート(小説では
ないです。当時、彼はまだ小説を書いていな
かったから)の書きぶりを意識していたよう
に思います。ちなみに、さだまさしさんの文
章は、他のモデルとは異なる文体でした。
情感溢れる書き方に惹かれていたのです。
 人が、どのような「文体」を好むかは、
それぞれの自由です。ただ、実践記録をわか
りやすく書くにふさわしい「文体」を意識す
ることは大切だと僕は思います。そのための
基本的な方法は、モデルとなるものを自分で
決めて、それをまねることかなー。
 
 最近思うけれど、どのようなものでも良いか                         ら、教師は、実践の事実と、そこ
で感じる自分の内面、そして、考察などを書
き続けることが必要なんじゃないだろうか。
 こういうのは、意識して、日常的に行い続
けることがポイントなのでしょう。
 僕はこのように考えるんだけど、どう思いますか?
(引用終了)

 「書く」こと。

 「書き続ける」こと。

 一緒に仕事をしてきた仲間で、今、あちこちから

高い評価を受けるようになってきている人に共通し

ていることは「書いてきた」歴史があることだと思う

のです。

 そして、もちろん僕も、仕事から離れる日まで

書き続けます。それがないと、自分の成長がなくな

ると思うから・・・。 

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だいすき

楽しみにしていたドラマが

終わってしまいました。「だ

いすき!!」です。といっても

このドラマが見られる時間に

木曜日に帰宅できたのは、数

えるほどしかなかったのです

が、それでも、人知れず、木

曜日はできるだけ早く職場を

出ようと考えてはいたのです。

 自分だけでできないことは

助けてもらおう・・。「みんな」が

いるから・・。人を取りまく周囲

の方々との関係の中で、暮らし

ていこう。最終回に流れていた

と僕に思えたメッセージ、とても

とても共感しました。これは、障

害の有無とかいう問題ではなく

今の僕自身に当てはまるメッセ

ージだからです。

 助けて下さる方々のお力に感

謝しながら過ごす日々。

 自分の居場所があることの

幸せを感じる日々。

 仲間がいることの幸せを痛感す

る日々。

 特別支援教育でよく言われる「連

携」「つながり」に、これらのメッセー

ジが込められている場合と込めら

れていない場合があるように思えて

なりません。そして、込められてい

ない場合には、まるでウエブ上の

「情報のリンク」のような「連携」に

思えてしまいます。

 「つながる」ことの意味を感じて

生きていきたいです。

 とある大学で講義させていただ

いた時、このドラマを見てごらんと

話しました。

 講義をちょっと聴いたり、抽象的な

ことばで説明されて、「わかった気」

になる学生を増やしたくなかったから

でした。

 何人くらいの人が見てくれたかな・・。

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「モデル」を示すということ

 とある研究協議会で、東京に

行ってきました。言語指導の

基本的マニュアルを、動画も

添えた形でデータ化し、ウエブ

上に公開しようという企画の

協力を依頼されたからです。

 実際には、企画者やそのお

仲間は、僕よりもレベルが上

の方ですから、僕にはほとんど

役割はなく、申し訳ない時間を

過ごしたのでした。本当にごめ

んなさい・・・。

 しかし、役にはたちませんで

したが、個人的には非常に勉

強になりました。

 「間違っていなければ、まずは

ウエブ上に出して、修正・加筆

していけばよいんだ」

という考え方が出ました。インタ

ーネットの文化は、この考え方が

基盤にあると思うし、それを、手

軽に行えるところが凄いのだと

思います。

 しかし、いつでも、どこでも、誰

でもが見られるものを「モデル」

的に示すことへの危険性を

考える意見もありました。

 この2つの考え方は、相対する

ものではなく、「あるケース例」を

示すことと「モデル」を示すことの

違いに、ポイントがあるのだと

感じました。

 実は、僕自身の仕事の中で、

「実践モデル」を示すことを要求さ

れ、その記述の仕方に苦慮して

いることがるのです。また、実践

例をウエブ上に上げて、それを

更新しながら進化させる仕事も

担当しており、余計に、その違

いを意識したのかもしれません。

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お手紙

 僕には、特別支援教育にかかわる

支援員さんの知り合いが6人います。

その中の2人から、お手紙をもらいま

した。ひょんなことで、二人と顔を合わ

せる機会があったのです。お二人は

僕と話す時間は多分ないだろうと考え

て、お手紙を書いてきて下さったとい

うのです。

 びっくりしました。

 そして、胸が熱くなりました・・・。お手

紙にはこのように書いてありました。 

「いろいろあった1年ですが、学級担任

が、○○ちゃんや○○くんらのことを、

どのように受け止めてくれるかが大切

なことだとつくづく思った1年でした。」

「○○ちゃんが、クラスに与えている

こともたくさんあると思います。友達支

援はごく自然に行われています。困っ

ている時、声をかけて助けること、努力

してできたら、みんなで誉めて喜び合う

ことなど。また○○ちゃんは、けんか

や争い事をきらって、気まずい雰囲気

になると、特有の方法でなごませてくれ

ます。グループ活動でも、○○ちゃんが

仲間はずれになることはありません。

このクラスにとって、○○ちゃんは、他

のみんなと同じように、かけがえのな

い存在です。彼が、彼なりのペースで

頑張ってきたことがよくわかる事例を

紹介して、皆に少しでも彼を知って

欲しいと思います。」

 居場所をつくること。

 クラスの一員として過ごせること。

 多くの人に知ってもらい、応援団を

増やすこと。

 どれも、特別支援教育に大切なこと

だと思います。

 僕は、この先生の子どもを見つめる

まなざしが、とても好きです・・・。

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授業規律

 『授業づくりネットワーク』学事出版の最新号の

特集は「授業規律の新しい指導法」です。詳細は

 http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html

をごらんください。

 この雑誌は、特別支援教育の専門誌ではありません。

ですから、そこで用いられていることばは、特別支援教育

の専門用語ではなく、通常の「教育用語」です。しかし、

その斬り口は、特別支援教育を考える上で重要なものを

たくさん提起してくれていると僕は思います。

 変に、特別支援教育の専門用語を並べ立てないところ

が、これからの時代に必要だと僕は考えます。そこで、

毎号楽しみに拝読し、勉強させていただいているのです。

 巻頭論文で池田修さんが書かれています。

 「新たな種類の規律に従わない生徒」

 池田さんは説明されます。引用します。

「かつて、地域や会社(ママ)が学校とともに育てようとして

きた、社会の一員となることを目指して育んできた人間

的な成長が、「なんでもできる人間」である生徒たちに

否定されているのだ。

 (なんでそんなのに、いちいち従わなければならない

のよ)

と思われているのではないだろうか。

 これが、新たな種類の規律に従わない生徒の姿である。

                        (引用終了)

 論文中で、池田さんは以下の提起をされています。

 かつて、規律に従わない子どもたちは、規律の「向こう

側」にある「社会」に反抗していたのではないか。しかし

「新たな規律に従わない種類の生徒」には、そもそも

「社会」そのものが想定されていないのではないか?

 個へのアプローチに偏り過ぎと思われる実践が多い

学校における特別支援教育(と僕には思えますが)と

上記の提起には、関連性はないのでしょうか・・・・。

 障害特性が、様々な言動の背景になることがあるのは

当然です。しかし、本人の気持ちの持ち方、思考の仕方

認知の仕方なども、言動の背景になり得るはずです。

それらが、「社会」との絡みで作られていくのだとしたら・・。

 ちょっと時間をかけて考えてみたいテーマだと感じてい

ます。

 

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研究会の案内

 北海道の石川晋さんからの情報です。

 授業づくりネットワークの研修会案内です。

 特別支援教育関連でも、上原さん、池田さんの

教材・教具づくり講座、東京の気鋭の実践家、田中

博司さんの特別支援教育から学ぶミニネタの講座

などがあります。田中さんは、通常学級担任として

特別支援教育の視点を入れた子どもたちの成長を

追究されている方で、私は、今後の発信に注目し

ている方なのです。

 また、このブログでご紹介してきた石川晋さんや、

池田修さんの講座もあります。私はその日は所用

で伺えなくて残念!

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「授業づくりネットワーク2008春」直前案内

参加費4000円で三つのワークショップが体験できるオトクな集会
です。すでに100名以上の申し込みがあります。現時点で例年の
倍の人数が集まりました。受け付けを締め切る講座が出てくるのも時間
の問題です。申し込みはお早めに!

******************************
授業づくりネットワーク2008春

 授業成立の基礎技術
  ~4月から元気が出る!授業・学級・教室づくりワーク
ショップ24~

  主催 NPO法人「授業づくりネットワーク」
  後援 東京都教育委員会
     武蔵野市教育委員会

■日時 2008年3月30日(日)10:00~
17:00(受付は9:30~)

■会場 成蹊大学3号館(東京都武蔵野市)

■日程
  9:30~10:00 受付
10:00~12:00 ワークショップ1「楽しく力がつく授業づ
くり」
12:45~14:45 ワークショップ2「明るく元気な学級づく
り」
15:00~17:00 ワークショップ3「ユーモアのある教室づ
くり」
13:00~17:00 特別ワークショップ

【参加費】
 一般   4000円
 会員   3000円
 一般学生 2000円
 会員学生 1000円

●詳しい内容・申し込み先
 http://jugyo.jp/nw2008haru/
※各講師・講座の詳しい情報があります。書籍や研究会情報も充実して
いますので、ぜひ、ご覧ください。

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骨太の・・・(その2)

 僕らの仕事は、子どもの事実によってのみ

評価されるのだと思います。いや、子どもと

私たちの関係によってというのが正確な表現

かもしれません。

 ケースは違うはずなのに、似たような実践

報告。

 ケースは違うはずなのに、似たような助言。

 ケースの生き様、ケースを取りまく方々の

息づかいが全く聞こえてこない実践報告。

 それほど大したことではないと思える事実の

誇大広告。

 いつの間にか、僕自身もそのようなものに染

まりつつあるのかもしれない・・・。そんな思い

でこの1年の自分の仕事を振り返り始めました

 そのような気持ちになる時には、他の方の

骨太の日本語に触れることにしています。

 前回ご紹介した師匠片倉信夫先生の奥様、

厚子さんの文章に描かれる「事実」には、誇大

広告はまるでないのです。それは、今までに私

の目の前繰り広げられた彼女の実践が証明し

ています。

 厚子先生の実践がここで読めます。

http://www2.bbweb-arena.com/tuitachi/myweb116_011.htm

 若い方々には、「本物」に触れて欲しい・・・。

 いえ、僕も「本物」に触れながら、進んでいきた

いと思っています。

 

 

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